素材やエネルギー資源の価格が高騰し、製造業の業績に影響を与えている。新製品の開発で売り上げ増加が見込めたとしても、原材料費の上昇により利益が思うように成長しなかったり、輸送費のコスト上昇が利益を圧迫したりとその影響はさまざまだ。そんな厳しい環境の中、製造業として何を検討し、対策するべきなのか考えてみたい。
→ 価格高騰に負けないぐらいに製品価値を高める。
原材料費で押し上げられた製造原価を他の部分の原価低減で吸収できるのであれば、現状価格を維持する事も可能だが、今の価格高騰のスピードについていける企業は少ない。であれば原材料の高騰分を製品価格に転嫁しても、ユーザーが購入してくれる製品でなければならない。これまで利益のためには当たり前に言われてきたことであるが、昨今の原料費の高騰という背景を考えると生き残る為にその取り組みを当たり前に進めていかなくてはならない。
→ リサイクル材料利用できる技術力を身につける。
リサイクル原料の利用は、そのリサイクルの仕組みを作る為にコストが掛かるため、新しい原料を使用した方がコスト的には安いのが現状だ。簡単に「リサイクルされた原材料を使いこなす」とは言ってもそのためには良いリサイクル原材料を作る事ができる技術力や、リサイクル原材料でも問題がないように自社の生産設備を改良できる技術力が必要となってくる。
→リサイクル社会への脱皮を!
「モノは消費し続ければ必ずなくなる」「資源に限りがある」という前提を変える事はできない。将来有望な資源を枯渇させないためには「循環型の消費スタイル」を早急に構築する必要がある。将来的には使用量がリサイクル量と同等になる事、すなわち新たに採掘しなくてもリサイクルされた原材料で需要を賄える状態に持って行く事が理想となる。そのためには現在の原材料費の高騰を嘆くのではなく、リサイクル社会への意識を高め、そのための技術開発や、リサイクルに向いている製品の開発に力を注ぐのがこれからの製造業のあるべき姿ではないだろうか。
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